この度、日本に本帰国することになりました。

そこで、一番問題なのが「飼い猫をどうやって日本に連れていくか」ということ。
前に、日本に犬や猫を連れて帰ることは可能だと聞いたことがありましたが、実際にどうしたら良いのか未知。

ネットで調べても、ブログでは1件しかヒットせず、詳細が分かりませんでした。


結論から言うと、犬や猫を日本に連れて帰ることはさほど難しいことではありません

ただ、時間もお金もかかるし、手続きは非常に面倒です。


しかし、1つ1つ確認しながらクリアしていけば簡単ではないけれど、難しくはありません。

もし今後、動物(特に猫)をラオスから日本に連れて帰ることがあれば、参考にしてください。

料金も、1番最後にまとめて書きました

お役に立てれば幸いです。


また、今回の新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、急きょ帰国という話が出ても、ペットを飼っていて帰国できなかったという話も聞いています。

狂犬病抗体検査の検査結果は2年間有効なので、帰国の予定がなくても準備だけしておいてもいいかもしれません。


※料金は、わたしが実施した2019~2020年までのものであり、変更される可能性があります。 

※ワクチンや書類作成費については、各動物病院によって金額は異なります。

※手続き方法は、私が実施した2019〜2020年までのものです。これから手続きを始められる方は農林水産省のホームページにそって進めてください。この記事は参考程度と捉えて頂ければ幸いです。

手続きを始める前に

日本に帰国することが決まっても、すぐに動物を日本国内に輸入することはできません。

最低でも8カ月はかかります。

また、動物病院によってどこまで手続きに協力してくれるかわかりません。

手続きを始める前に、しっかりと計画を立てて準備をする必要があります。

・農林水産省のHPをチェックする 
・かかりつけの動物病院が協力してくれるか確認をする 
・犬または猫の年齢を考慮する

以上3点を早急に確認してください。 

次の用紙を用意しておくと、分かりやすいと思います。

チェックリスト_page-0001
早見表_page-0001


もし、8カ月以内に日本に帰らなければならなくなった場合でも、犬や猫を日本に連れて帰ることは不可能ではありません。

必要な手続きを踏めば、日本に帰国することも可能です。

その場合は、「180日の待期期間」の話をするときに詳しくお伝えしようと思います。 


それでは、1つずつ細かく説明していきます。


農林水産省のHPをチェックする

日本に猫を輸入する際、農林水産省が窓口になっています。

農林水産省のHPには、動物を日本に輸入するときの注意点や手順が記載されており、手引きをPDFでダウンロードすることができます。

まずは、この手引書にしっかりと目を通しておきましょう。

日本に帰るまで、この手引書に沿って手続きを進めていきます。

他国から日本に犬または猫を輸入する場合、どの国から輸入するかによって手続き方法が異なります。


アイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアムの6つの指定地域から日本へ犬または猫を輸入する場合の手引き書。 
 

ラオスは指定地域外
なので、下記のページから手引書を入手してください。  


かかりつけの動物病院が協力してくれるか確認をする

農林水産省のHPから手引書をダウンロードしたら、かかりつけの動物病院が猫の日本輸入に関して協力してくれるかどうかを確認してください。

犬や猫の輸出入の際、どうしても医師による処置や担当医師のサイン、書類作成が必要になるためです。

確認の際、手引書を準備していくとよいでしょう。


わたしは、自分用に日本語版を印刷し、獣医師用に英語版と韓国語版(獣医師が韓国の方のため)をダウンロードしました。

あらかじめfacebookのメッセンジャーで相談したのですが、その際、ダウンロードした手引書のPDFを送信しました。

翌日、病院に行って直接話をしましたが、手引書を渡していたので話がスムーズでした。


また、どこまで獣医師が協力してくれるのかを確認しなければなりません。

相談する際は、農林水産省のHPから入手できる「輸入手続きの手引書」を用意していくとわかりやすいかと思います。


わたしの場合、かかりつけの獣医師に経験があり、政府のサインが必要な書類も代わりに作成してくれるとのことだったので、話が通じて非常にやりやすかったです。


輸入手続きの手引書(日本語版)
https://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/attach/pdf/import-other-25.pdf

輸入手続きの手引書(英語版) 
https://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/attach/pdf/import-other-28.pdf 

かかりつけ動物病院「FaXai Animal Clinic」
https://www.facebook.com/faxaiaclao

犬または猫の年齢を考慮する 

犬または猫の年齢を考慮する ペットは家族ですから、帰国することになっても一緒に暮らしたいですよね。

しかし、長時間飛行機に乗せるため、それに耐えうる体力があるのか、考慮する必要があります。

わたしの飼い猫は手続き開始時は2歳だったのでこの問題はクリア。


それ以外に、日本に輸入するために、2回の予防接種(狂犬病予防注射)とマイクロチップの埋め込み、狂犬病抗体検査のための採血が必要です。

そのうえ、最後に何時間もケージの中に閉じ込められ、海を渡る…。

猫にとっては大きな負担です。

生後91日以内の幼いペットに狂犬病の予防注射をすることはできませんし、高齢のペットの場合もあるでしょうから、このあたりも獣医師に相談してください。

猫をラオスから日本に輸入する際の一連の流れ

(犬の場合の手順はほぼ同じですが、一部異なります) 

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①マイクロチップの埋め込み(個体識別番号)
②狂犬病予防注射(1回目)
③狂犬病予防注射(2回目)
④狂犬病抗体検査のための採血
⑤日本に血清を送るための必要書類用意
⑥狂犬病抗体検査のための検査料金の振り込み
⑦血清を自宅で凍結保存する
⑧血清をEMSで日本に送る
⑨輸出前待機 ※採血してから180日以上
⑩日本側へ事前届け出 ※到着予定日の40日前まで
⑪輸出前検査と輸出国の証明書取得 
⑫航空会社と飛行機に乗せる際のケージについて
⑬帰国、猫を飛行機に乗せる
⑭日本到着後の輸入検査 



農林水産省のHPも併せて確認してください。 



①マイクロチップの埋め込み(個体識別)

②狂犬病予防注射(1回目)

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個体識別番号が登録されたマイクルチップを埋め込みます。

注射器で、とても太い針で首のあたりに入れていきます。

マイクロチップ自体は、直径2ミリ、長さ8ミリ程度の棒状で、埋め込み後は痛がったり違和感を感じている様子はありません

猫の皮膚の上から手で触るとポコッとしているのがわかります。


埋め込み後は機械で番号が読み取れるかチェック。

狂犬病予防注射も、同じ日にできるので一緒に済ませました。

狂犬病予防注射は細い針での注射なので、問題なくクリア。

③狂犬病予防注射(2回目)

1回目の予防注射から30日以上~有効免疫期間内に2回目の狂犬病予防注射をします。

この日は注射をするだけで帰りましたが、可能であれば、狂犬病抗体検査のための採血も同日してもよいです。


ただ、日本で唯一狂犬病抗体検査をする機関「生物化学安全研究所」では、
2回目の注射から7~14日後に採血することを推奨します。 
http://www.riasbt.or.jp/examination/rabies
生物化学安全研究所HPより 

とあります。

わたしは、血清を日本に送る方法など調べなければならなかったので、後日、採血をすることにしました。

④狂犬病抗体検査のための採血

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前足の血管から採血します。

1mlの血清が必要ですが、血清を作るためには3mlの血液が必要です。

血清とは、血液が凝固した時、上澄みにできる淡黄色の液体成分のこと。


機械で分離させて血清を取り出します。

時間は約15分ですが、採血に時間がかかったので、動物病院に行く際は時間に余裕をもって行くことをお勧めします。

⑤日本に血清を送るための必要書類用意

血清を準備している間に、書類を準備します。

ひとまず必要なのは、下記2種類です。

・ラオス郵便局に提出する書類 
・日本の検査機関に提出する書類 


ラオス郵便局に提出する書類 

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ラオスから日本に血清を送る場合、郵便局からEMS(国際郵便)で送ります。

これは、検査機関「生物化学安全研究所」からの指定です。


あらかじめラオス郵便局に問い合わせたところ、「ラオス政府が許可したと確認できる書類が必要だ」と言われました。

その書類のフォーマットはなく、特別指定はありませんが、何をどこに、どんな目的で送るのか、それを許可することを証明するラオス政府のサインと印が必要とのこと。


それを獣医師に相談したところ、以前日本ではない他国に送る際に発行した書類があるとうことで、その書類を元に、作成しもらいました。

申請してから手元にくるまで、約2週間ほどかかります。 


 日本の検査機関に提出する書類 

狂犬病抗体検査申込書_page-0001

 動物を輸入する際は、狂犬病抗体検査という検査をする必要があります。

日本国が指定する検査機関は世界中にありますが、ラオスには指定検査機関がありません

他国に検査を依頼することになります。

日本では唯一、「生物化学安全研究所」というところが検査をしてくれます。

その「生物化学安全研究所」が指定するフォーマットに必要事項を記入。

自分の名前や住所やも記入しますが、獣医師に記入してもらう欄もあります。 
 
「生物化学安全研究所」の狂犬病抗体検査についての詳細 



⑥狂犬病抗体検査のための検査料金の振り込み

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1検体あたりの料金は、13,000円(2019年10月現在)。

先払いで、血清送付の際に申請書と共に控えを送る必要があります。

わたしは、実家の母にお願いしてわたしの日本の口座から振り込んでもらいました。


⑦血清を自宅で凍結保存する


血清を採った後、ラオス政府の書類が出来上がるまで2週間ほどかかりますよね。

その間、せっかくの血清がダメになってしまうんじゃないか、心配になって生物化学安全研究所にメールで問い合わせをしました。


結果は、冷凍保存すれば問題ないとのこと。

検査可能期間は下記の通りと、教えていただきました(毎度、秒の速さで返信きた)。

・冷凍保存…1年
・冷蔵保存…4カ月
・常温…1週間


なので、書類が手元に来るまで、自宅で冷凍保存すれば問題ありません。


⑧血清をEMSで日本に送る

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EMSとは国際郵便のことで、血清を日本の検査施設に送るには、EMSで郵送します。

これは、検査施設の指定の郵送方法で、国際郵便ならEMSで送ってくださいと検査施設に指定されています。

ハンドキャリーでも可能で、日本に帰るタイミングで採血する人は、スーツケースに入れてご自身で日本へ運んでもよいです。


EMSは郵便局で利用できます。

ラオス国内のどの郵便局に出してもよいですが、最終的にはタラートサオの郵便局、または、ラオテレコム横の郵便局に集められ、そこからまとめて空港に持って行きます。

自分で郵便局に持ち込んでもいいし、平日、郵便局に行く時間がない人は、職場に来てもらうこともできます。

わたしの場合、職場に来てもらいました。


ラオスでは郵送する際に、日本とは違い、中身を申告し且つ、見せる必要があります。

下記にまとめましたので、参考にしてください。


また、ラオスからの国際郵便は、冷凍配送も冷蔵配送もなく、常温でしか送ることができません。 

 梱包の仕方(検査施設指定方法) 梱包は検査施設から3重包装をするようにと指定されています。

外装ラベルも指定されているので、間違いのないように確認をしてください。 

〈3重包装〉 一次容器、二次容器、輸送用外装で送付します。 

一次容器…血清を入れる容器 
二次容器…血清と保冷剤を入れる容器
(わたしは病院が小さな発砲スチロールのクーラーボックスをくれたのでそれを使用しました) 
輸送用外装…郵便局の段ボール 

※保冷剤 動物病院でもらえましたが、DAISOに3個18,000kipで売られていました 

※二次容器 動物病院でもらえましたが、お菓子の空き缶など潰れないものでもいいと思います 

※クッション材 職場であまっていたものを使いました。
ラオスではエアーパッキンなどのクッション材は、なかなか売っていないので、綿を詰めてもよいでしょう。
綿は、スーパーの赤ちゃん用品コーナーや薬局で売られています。

ラオスでEMSを利用する際の注意点

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ラオスから郵送する場合、中身の申告と実際に係員に見せなければなりません。

ですので、梱包せずに郵便局に持ち込んでください。

梱包は係員がしてくれます。

箱の大きさの調整も、係員がしてくれます。


自宅や職場に取りに来てもらう場合も同様、その場で梱包します。

箱も自分で用意する必要はありません。


EMSは、スムーズに日本へ郵送できる場合とそうでない場合があります。

以前、ドイツに住む友人がラオスのオフィスに荷物を送ってくれた時は、到着するまで1カ月ほどかかりました。

箱に穴が開いて、酷い状態で届いたのですが、おそらく、どこかの部署で放置されていたと思われます。

EMSには追跡番号がついているので、なんどもチェックするとよいでしょう。


わたしは、ラオス郵便局、日本郵政、その他サイトの3か所でチェックしました。

追跡情報の更新が非常に遅いようなので、焦らず見守るのがよいです。

しかし、この荷物は検査機関到着が1週間以上遅れてしまうと検査不可になってしまう恐れがあるため、非常に神経を使いました。


ちなみに、3つのサイトを見比べると、日本郵政のサイトが一番情報が更新されるのが早かったです。 

〈追跡番号検索サイト〉 
ラオス郵便局 

日本郵政 

その他サイト 

<主な郵便局の場所>

タラートサオの郵便局
オレンジ色の建物。1階が駐車場になっており、2階に入口があります。

ラオテレコム横の郵便局 
 赤い建物が目印

検査結果は郵送で送られてきます。

検査自体は約2週間

その後、5日ほどで国際郵便(EMS)にて書類が送られてきました。 

生物化学安全研究所、返信


 わたしの自宅の住所がわからなかったので(ラオスは個人宅にポストがない)、勤務先のオフィスの住所を提出しました。

受け取りの際は5,000kip必要です。


もし検査結果が基準に満たない場合、再検査が必要です。

そのため、もう一度、料金を振り込みし、血清を検査機関に送らなければなりません。


ちなみに、ラオスから日本へ送るときに用意したラオス政府の許可証は、検査結果と共に返ってきました。


⑨輸出前待機 ※採血してから180日以上

狂犬病抗体検査の結果がOKだったとしても、180日間は現地で待機しなければなりません。

180の期間は、採血をした日から数えて180日です。


180日間、待たなければならない理由を農林水産省のHPでは下記の様に答えています。

待機期間をおく理由は、予防注射により免疫を獲得する以前に狂犬病に感染していないことを確認するためであり、潜伏期間に相当する180日間を待機期間としました。

また、様々な理由により、180日の待期期間を待たずに帰国されることもあるかと思います。

その場合は、180日に満たない日数の間、動物検疫所で係留検査を受けることになります。

係留期間中は面会はできますが、いかなる理由があっても自宅など施設外へ連れ出すことはできませんので、ご注意ください。


係留検査については、経験がありませんので詳細を書くことができません。

詳しくは、下農林水産省のHPに記載されている各検疫所へお問い合わせください。



全国検疫所一覧 



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以下は、まだ手続き未。
随時更新していきます。

⑩日本側へ事前届け出 ※到着予定日の40日前まで

⑪輸出前検査と輸出国の証明書取得

⑫航空会社と飛行機に乗せる際のケージについて

⑬帰国、猫を飛行機に乗せる

⑭日本到着後の輸入検査 


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各検査、配送等の料金

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①マイクロチップの埋め込み(個体識別番号)
診察料:10,000kip
マイクロチップ埋め込み:200,000 kip

②狂犬病予防注射(1回目)
診察料:10,000 kip
ワクチン代:40,000 kip

③狂犬病予防注射(2回目)
診察料:10,000 kip
ワクチン代:40,000 kip

④狂犬病抗体検査のための採血
診察料:10,000 kip
採血:100,000 kip

⑤日本に血清を送るための必要書類用意
ラオス政府の許可書類:300,000 kip

⑥狂犬病抗体検査のための検査料金の振り込み
検査費:13,000円(+振込手数料)

⑦血清を自宅で凍結保存する
無し

⑧血清をEMSで日本に送る
郵送料金:281,000 kip(料金は重さで決まり、1,210グラムでした)
箱代:27,000kip
受け取り代:20,000 kip(オフィスに取りに来てもらった場合)
保冷剤:DAISOで3個18,000 kip

検査結果の受け取り:5,000 kip

⑨輸出前待機 ※採血してから180日以上
無し

-------------------------------------------------------------------

以下は、まだ手続き未。
随時更新していきます。

⑩日本側へ事前届け出 ※到着予定日の40日前まで
⑪輸出前検査と輸出国の証明書取得 
⑫航空会社と飛行機に乗せる際のケージについて
⑬帰国、猫を飛行機に乗せる
⑭日本到着後の輸入検査

※料金は、わたしが実施した2019~2020年までのものであり、変更される可能性があります。 

※ワクチンや書類作成費については、各動物病院によって金額は異なります。

※手続き方法は、私が実施した2019〜2020年までのものです。これから手続きを始められる方は農林水産省のホームページにそって進めてください。この記事は参考程度と捉えて頂ければ幸いです。

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