ラオフェスで感じたこと。
去年も同じことを思ったけど、今年はさらに強く。
ラオスだけで勝負するのは、正直厳しい。
ラオフェスの雑貨を物販をしているブースで、純粋にラオスのものだけを扱っているのってうちと1か所?2か所くらい?
他は、ラオスを含めタイ、インド、台湾などの、アジアというくくりでの雑貨店が多かった。
他のブースの売上や売れ筋はわからないけど(ずっと自分のブースにいたため)、ちらっと外から見た感じ、あぁ、可愛いなと思った。
お客様は、ラオスの雑貨にこだわりを持たない。
可愛いなと思ったもののなかで、予算に合う商品を選んで購入する。
これは、当たり前のこと。
どんなに良いものかを力説されたところで、デザインや自分に必要かどうかが一致しないと買わない。
わたしだって、ハイブランドがどんなに人気で作る過程にこだわりを持っているのか力説されても、商品の魅力もそうだし、値段が自分の中でOKできないと買わない。
私は、日本にいた時は、販売員の仕事を13年ほどやった。
量販店の雑貨屋から始まり、アパレル、ブランド直営のレザーブランドの路面店、そして百貨店。
どんなに素敵な商品であっても、どんなに良い接客をしても、お客様の好みに合わなければ売れないのは当然のこと。
来てくれたお客様みんなが購入してくれたら、そりゃ苦労は無いよね。
自分もだけど、みんな、自分の中でOKが出ないと買わない。
当たり前。
お客様は、ラオスの雑貨だから買うのではなくて、デザインの好みと価格が自分の中でOKでたから買う。
だから、他のブースがラオスの商品を置いていなくても、売れる。
もちろん、ラオスが好きで、ラオスの雑貨だから買ってくれる人もいる。
だけど、少数派。
今後、ラオスの商品を販売していくなら、ビジネスとしてやっていくなら、もっと工夫していかなくてはと強く思う。
それから、ラオスの雑貨は決して安くない。
いや、完成するまでの過程を考えると安すぎるんだけど、日本の物価や感覚からすると、高く感じてしまう。
それに、日本でいちから人の手で作っているものってもうほとんどない。
伝統工芸品は一般的に日常的に買うものではないし、大量生産された安すぎるもので溢れてる。
そのなかで、ひとつひとつが伝統的な製法で作られたものに思いをはせることは、少し難しいように思う。
ラオスの布は、綿花を育て、収穫してつむぎ、糸にする。
染料である草花も自家栽培し、藍染めの染料も草を育てるところから始まる。
手作業で染めの作業をし、鶴の恩返しみたいな織機で手動で機を織り、模様を入れ、ようやく1枚の布が完成する。
この布が生まれるまで、どれほどの手間と愛情が込められているか。
実際には、このような方法で布を織ることもあるし、糸だけは市場で買っている場合や、草木染ではなく化学染料を使用していることもある。
ここ数年は、機械の織機で織られた布も増えてきている。
当然、機械織りや化学染料を使用した布の方が安いのだけれど、それでも安くはない。
私が扱っているラオス雑貨の中には、すべて手作業で作られた布を使用した雑貨がいくつもある。
それらは日本で販売するときには利益を上乗せしているけれど、それほど乗せていない。
乗せすぎると売れないし、かといって、商品の価値を下げたくない。
商品の価値を下げたくないんです。
私がラオスに戻って来た時、ラオスの伝統衣装「シン」をはいている女性が極端に少なくなったと感じた。
市場に売られるシン用の布も、機械織りのものが増えていたし、手織りの布も柄がざっくりとしたものが多く、カジュアルな印象。
手織りの布が減りつつあり、ラオスの伝統が静かに姿を消しているのを目の当たりにした。
以前、知り合いのお家で彼女がコレクションした布を見せてもらったことがある。
今では織ることのできない、非常に繊細な模様の入ったシルクの布をたくさん見せてもらった。
彼女は、当時たくさん買っておけばよかった、今はとても買える値段ではないし、売っていないと言っていた。
日本の伝統工芸品もそうだけど、作るひとや求める人が少なくなると、希少価値が高くなり高価なものになっていく。
それは自然の流れではあるけれど、高価なものになっているのにこちら側の感覚がまだ「安いもの」のまま止まっていてミスマッチが起きている。
東南アジアの雑貨は、安いというイメージがある。
物によっては、安いな、本当にこの値段で売って大丈夫?と思うようなものもある。
けれど、30年前のバックパッカーが流行っていた時代のような安さは、もう時代遅れだと思う。
この活動をしていて、その時の感覚なんだろうなと感じることは、少なくない。
わたしは、ラオスの布やその布を使って作られた製品は、もっと価値の高いものだと思っている。
思うように売れなくても、ラオスの布の良さ、とんでもない時間をかけて作られていること、作っている方たちの生活やラオスの時間の流れ、そういうものを商品だけではなく伝えていくのも私の使命なんじゃないかと思い始めている。
けれど、その思いを伝えるためには、伝えることと同じくらい、日本の人に手に取ってもらえる魅力のある商品を作り続けなければいけないとも思っている。
私の本業は、旅行会社の社員なんだけれど、観光によって多くの方が職につけ、豊かになるように、その一端になれたらいいなと思っている。
貧困の問題とか、課題は山積みで、私一人にできることではないし、何もできないかもしれないけど、このさき一生、暮らしていくであろうラオスで、みんなで幸せになりたいと思っている。
ラオスのものだけで勝負するのは厳しいと感じることもあるが、日本の人が気に入ってくれる商品を開発していこうと、ラオフェスを通じて気持ちを新たに決意した。
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去年も同じことを思ったけど、今年はさらに強く。
ラオスだけで勝負するのは、正直厳しい。
ラオフェスの雑貨を物販をしているブースで、純粋にラオスのものだけを扱っているのってうちと1か所?2か所くらい?
他は、ラオスを含めタイ、インド、台湾などの、アジアというくくりでの雑貨店が多かった。
他のブースの売上や売れ筋はわからないけど(ずっと自分のブースにいたため)、ちらっと外から見た感じ、あぁ、可愛いなと思った。
お客様は、ラオスの雑貨にこだわりを持たない。
可愛いなと思ったもののなかで、予算に合う商品を選んで購入する。
これは、当たり前のこと。
どんなに良いものかを力説されたところで、デザインや自分に必要かどうかが一致しないと買わない。
わたしだって、ハイブランドがどんなに人気で作る過程にこだわりを持っているのか力説されても、商品の魅力もそうだし、値段が自分の中でOKできないと買わない。
私は、日本にいた時は、販売員の仕事を13年ほどやった。
量販店の雑貨屋から始まり、アパレル、ブランド直営のレザーブランドの路面店、そして百貨店。
どんなに素敵な商品であっても、どんなに良い接客をしても、お客様の好みに合わなければ売れないのは当然のこと。
来てくれたお客様みんなが購入してくれたら、そりゃ苦労は無いよね。
自分もだけど、みんな、自分の中でOKが出ないと買わない。
当たり前。
お客様は、ラオスの雑貨だから買うのではなくて、デザインの好みと価格が自分の中でOKでたから買う。
だから、他のブースがラオスの商品を置いていなくても、売れる。
もちろん、ラオスが好きで、ラオスの雑貨だから買ってくれる人もいる。
だけど、少数派。
今後、ラオスの商品を販売していくなら、ビジネスとしてやっていくなら、もっと工夫していかなくてはと強く思う。
それから、ラオスの雑貨は決して安くない。
いや、完成するまでの過程を考えると安すぎるんだけど、日本の物価や感覚からすると、高く感じてしまう。
それに、日本でいちから人の手で作っているものってもうほとんどない。
伝統工芸品は一般的に日常的に買うものではないし、大量生産された安すぎるもので溢れてる。
そのなかで、ひとつひとつが伝統的な製法で作られたものに思いをはせることは、少し難しいように思う。
ラオスの布は、綿花を育て、収穫してつむぎ、糸にする。
染料である草花も自家栽培し、藍染めの染料も草を育てるところから始まる。
手作業で染めの作業をし、鶴の恩返しみたいな織機で手動で機を織り、模様を入れ、ようやく1枚の布が完成する。
この布が生まれるまで、どれほどの手間と愛情が込められているか。
実際には、このような方法で布を織ることもあるし、糸だけは市場で買っている場合や、草木染ではなく化学染料を使用していることもある。
ここ数年は、機械の織機で織られた布も増えてきている。
当然、機械織りや化学染料を使用した布の方が安いのだけれど、それでも安くはない。
私が扱っているラオス雑貨の中には、すべて手作業で作られた布を使用した雑貨がいくつもある。
それらは日本で販売するときには利益を上乗せしているけれど、それほど乗せていない。
乗せすぎると売れないし、かといって、商品の価値を下げたくない。
商品の価値を下げたくないんです。
私がラオスに戻って来た時、ラオスの伝統衣装「シン」をはいている女性が極端に少なくなったと感じた。
市場に売られるシン用の布も、機械織りのものが増えていたし、手織りの布も柄がざっくりとしたものが多く、カジュアルな印象。
手織りの布が減りつつあり、ラオスの伝統が静かに姿を消しているのを目の当たりにした。
以前、知り合いのお家で彼女がコレクションした布を見せてもらったことがある。
今では織ることのできない、非常に繊細な模様の入ったシルクの布をたくさん見せてもらった。
彼女は、当時たくさん買っておけばよかった、今はとても買える値段ではないし、売っていないと言っていた。
日本の伝統工芸品もそうだけど、作るひとや求める人が少なくなると、希少価値が高くなり高価なものになっていく。
それは自然の流れではあるけれど、高価なものになっているのにこちら側の感覚がまだ「安いもの」のまま止まっていてミスマッチが起きている。
東南アジアの雑貨は、安いというイメージがある。
物によっては、安いな、本当にこの値段で売って大丈夫?と思うようなものもある。
けれど、30年前のバックパッカーが流行っていた時代のような安さは、もう時代遅れだと思う。
この活動をしていて、その時の感覚なんだろうなと感じることは、少なくない。
わたしは、ラオスの布やその布を使って作られた製品は、もっと価値の高いものだと思っている。
思うように売れなくても、ラオスの布の良さ、とんでもない時間をかけて作られていること、作っている方たちの生活やラオスの時間の流れ、そういうものを商品だけではなく伝えていくのも私の使命なんじゃないかと思い始めている。
けれど、その思いを伝えるためには、伝えることと同じくらい、日本の人に手に取ってもらえる魅力のある商品を作り続けなければいけないとも思っている。
私の本業は、旅行会社の社員なんだけれど、観光によって多くの方が職につけ、豊かになるように、その一端になれたらいいなと思っている。
貧困の問題とか、課題は山積みで、私一人にできることではないし、何もできないかもしれないけど、このさき一生、暮らしていくであろうラオスで、みんなで幸せになりたいと思っている。
ラオスのものだけで勝負するのは厳しいと感じることもあるが、日本の人が気に入ってくれる商品を開発していこうと、ラオフェスを通じて気持ちを新たに決意した。
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Asuka@ラオスに住む猫好き
会社員
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